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執筆者の写真saygo

カメラレンズのご紹介〜単焦点レンズ編〜

更新日:2023年6月22日


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今回は6回目のレンズ紹介ブログ記事「単焦点レンズ」の回となります。


「写真教えて」とか「どうすれば写真上手くなる?」と聞かれた際はいつも、


  • 単焦点レンズが一番、写真やカメラ・レンズのことを覚えやすいし、上手くなるコツを掴めるよ!


と言っています。なぜそうなのか。今までのおさらいも含めて単焦点レンズの実力と魅力を書いていきますね。最後までどうぞ楽しんでお読みください。




カメラレンズの基本〜焦点距離〜

単焦点レンズとは焦点距離が固定されたレンズのことを言います。この焦点距離って何?と思われる方もいると思います。もし手元にレンズがあれば観てください。レンズの種類はなんでも構いません。


レンズに「○○mm」と書かれた数字があると思いますが、それが焦点距離となります。焦点距離の数字は撮影しようとする光景に対して、写真に収められる範囲(画角)を表しています。この焦点距離の数字が小さいと広い範囲の光景を撮影する事が出来、数字が大きいと一部を切り取ったような狭い範囲の光景を撮影する事が出来ます。


単焦点レンズは焦点距離が固定されているためズームが出来ません。この焦点距離のくだりはレンズを選ぶときに非常に重要なため、ぜひ覚えておいてください。


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単焦点レンズとは

■特徴


単焦点レンズの特徴であり、大きな魅力はなんと言っても明るく撮れる。しかも綺麗に撮れる。ということに尽きます。「明るくしかも綺麗に撮れる」ということは他のレンズではどれだけ頑張っても撮れない領域となります。



■最強の明るさ


ズームレンズは幅広く色々な焦点距離に対応させないといけないので、どうしてもレンズの枚数が多い構造となっています。一方、単焦点レンズは1つの焦点距離だけを対応すれば良いので、ズームレンズよりも少ない枚数のレンズの構造となっています。このレンズの枚数が少ないということを単純に考えると解ると思いますが、障害(レンズ)が少ないためズームレンズよりもたくさんの光を取り込めることになります。


光の取り込み加減はF値(絞り値)でコントロールできますよね。そのF値の設定として、絞りを開ける(F値を小さくする)には限界があります。そしてその限界の値とはレンズの明るさである開放F値を指します。高価なカメラを使っても、F値をレンズの開放F値より下げることができません。F値の限界はレンズで決まります。ズームレンズの開放F値は、レンズキットなどで購入出来るレンズでF3.5からF5.6。何十万円もする高級なズームレンズでもF2.8が一般的です。


単焦点レンズではF1.8、さらにはF1.4といった、高級ズームレンズよりもはるかに明るいレンズが多くあります。レンズの開放F値が小さいと、より多彩な表現で写真を撮れるようになります。小さくすることで、被写界深度の浅い大きなボケの写真を撮ったり、暗い場所でも手持ちでブレなく撮る事が出来ます。そしてノイズの少ない綺麗な写真を撮れるようになります。



■綺麗さもダントツ


ノイズが少ないということはそれだけ綺麗、ということになります。単焦点レンズは構造がシンプルなゆえに画質もダントツで綺麗です。


ズームレンズは、ズーム機能があるためレンズ自体の光学性能を犠牲にしている部分を持っていて、開放では甘い描写になってしまうこともあります。こういったレンズ設計も関係してくるため、単焦点レンズも昔のレンズよりは新しいレンズの方が画質の良い写真が撮れるようになっています。




ちなみに僕の愛用レンズはニコンのAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gです。

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どうして単焦点レンズを使うと上達するのか

単焦点レンズは写真が上手くなるレンズと言われています。そして僕もそう思っています。


一番の理由はズームが出来ない、焦点距離が決まっているという点です。焦点距離が決まっていると撮影の時は自分で足を使って構図を決めないといけません。構図を決めると、撮りたい被写体にピントが合うようにF値やSP(シャッタースピード)、ISOなどの設定をその都度、変える必要があります。


でも中にはどうしても近づけないとか、入っていけないとか、動ける範囲にも限度のある時が出てきます。その時にどうすれば撮れるか、どう撮影すれば良いか、ということを考えながら撮影します。この考えながら、という事が上達に繋がると僕は考えています。カメラやレンズの機能に頼る/任せっきりにするのではなく、

  • 機能を使う

  • 機能の利点を活かす

といったことに意識を向ければ自然と上達出来る、といったことになります。


僕はよほど特別な場合でない時以外はほぼ単焦点のみで撮影しています。仕事もプライベートでも単焦点を使っています。ただ、1本ではなく数本の単焦点を組み合わせて撮影しています。




単焦点レンズが特に得意なシーン

単焦点レンズが他の(ズーム)レンズよりも活躍する/得意な撮影シーンを紹介します。


画質の良さとレンズの明るさをフルに活かせるシーンは次のようになります。

  • 背景ボケを活かす撮影

  • 室内/屋内撮影

  • 人物撮影

  • 夜景の撮影


■背景ボケを活かす撮影


背景をぼかして撮影出来ることが特徴の単焦点レンズ。背景をぼかすことでメインの被写体がより強調されるだけでなく、レンズの明るさからくるボケそのものが綺麗に撮れるので写真そのもののクオリティがグンと良くなります。またボケ具合も非常に繊細になるので、生活感のある光景を撮った場合でも雰囲気のある写真に変わる事が多々あります。



■室内/屋内撮影


レンズが明るいことから、室内や暗いところでの撮影に向いています。暗い所の撮影は高感度カメラじゃないとキツい/難しいと思われている人も多くいますが、単焦点レンズなら、ISO感度をいじらなくてもSP(シャッタースピード)を上げることで明るく綺麗に撮影出来ます。その恩恵として、手ぶれしにくくということにも繋がります。



■人物撮影


単焦点レンズを使う醍醐味に人物の撮影があります。現在、4Kや8Kといったテレビなどがありますが、それにも耐え得るというか写り映えのある綺麗な写真を撮る事が出来ます。またボケが大きく綺麗に撮る事が出来るため、赤ちゃんや子供、ファミリーなどの優しい雰囲気の写真を撮る時にも大いに役立ちます。ただ、目的に合わせてどの焦点距離のレンズで撮るか、ということは大切になってきます。


あなたが人物の表情を強調したい場合は85mmのレンズ、背景をぼかしつつ自然な空間演出を狙うなら50mm前後のレンズがオススメです。仮に画角内で人物の大きさが同じの場合、85mmレンズは、50mmレンズよりも被写体から離れることが出来ます。離れる、つまり距離を置いて撮影すれば被写体の人物を、より小顔に写せるといったメリットがあります。



■夜景の撮影


単焦点レンズは明るく撮れる、と言ってきていますが、明るいという事は光を多く取り入れることが出来るという事であり、そのため暗いシーンや場所でも手ブレやノイズを抑えて撮影をする事が出来ます。これは室内/屋内撮影と同じ事だと思ってくださいね。そして夜景と聞くと「工場萌え」などを思い浮かびやすいと思いますがその他には「蛍の撮影」にも向いています。蛍の撮影に使うと背景ボケの魅力を存分に堪能できる写真を撮影する事が出来ます。広角の単焦点レンズもあるので、風景などを撮る際は広角タイプの物で撮影することをオススメします。





単焦点レンズの上手な使い方

■絞りをコントロールする


単焦点レンズの使い方が上手い、と思われる手法の一つにボケ具合を撮り分けるということがあります。F値の設定でボケ具合を思いのままに出来るのでここで覚えてください。


風景写真などが例として挙げられますが、背景をぼかさず写したい場合は絞りを絞って(F値を大きくして)撮るようにします。目安としては下記を参考にしてください。

  • 背景を緩くぼかしたい場合はF5.0

  • くっきりぼかしたい場合はF12.0

  • SP(シャッタースピード)が調整できない場合はF8.0


SPを遅くする場合、手ぶれする危険がある事もありますし、またシャッタースピードが確保できない時は、ISO感度で調節する事も出来ます。SPを速くしてもISOの数値を大きく設定したり、SPを遅くしてもISOの値を小さくしたりして光の取り込み具合をコントロールする事が出来ます。ISOの調整も合わせて覚えておくと単焦点レンズの面白さをより感じるようになってきます。



■焦点距離を体で覚える


実は、単焦点レンズでピントが合いにくいということはほぼありません。もしピントが合わない場合は、最短撮影距離を確認してみてください。レンズ本体にも記載されているので直ぐに確認は出来ると思います。どのレンズにもピントが合う距離がそれぞれ決められていて、最短撮影距離はそのレンズのピントの合う範囲(最短距離)となります。


その距離よりも近い場所で撮影しようとしてもピントは合わないしシャッターも押せません。ピントが合わないとか甘いと感じたら、被写体に寄りすぎていないかどうかを確認してください。




購入時のポイント

実際に単焦点レンズを購入する時のポイントをご紹介します。


■最短撮影距離を確認


直前にも出てきた最短撮影距離を確認する事はとても大切です。レンズが被写体にどこまで近づいて撮影できるかを示したものが「最短撮影距離」となりますが、最短撮影距離未満ではピントは合いません。そして、同じ焦点距離のレンズでも、製品やメーカーによって最短撮影距離は異なります。


例えば50mmレンズの場合、被写体に35cmまで近づけるものもあれば、70cmまでしか近づけないものもあります。使い勝手に大きく関わる部分なので必ず確認しましょう。



■絞り羽根の枚数も確認


ズームレンズでは得にくい「背景のボケ」が単焦点レンズの大きな魅力です。そのボケの大きさはF値(開放寄り)によって決まりますが、ボケのかたちは【絞り羽根の枚数】で決まるんです。実はボケのかたちは丸だけではないんです。


絞り羽根:レンズからイメージセンサーに入っていく光量を調整するためにレンズに内蔵された機構


絞り羽根の枚数は5枚〜10枚で構成されていて、高価なレンズほど羽根の枚数が増えていきます。その枚数が増えるほど丸に近くなっていき、背景のボケも滑らかになっていきます。七角形や八角形になるレンズが多いのですが、ボケの綺麗さは背景に点光源が写り込んだ時に顕著な差が出てくるので、美しい背景ボケを求める場合は、絞り羽根の枚数もチェックしておいて損はないと思います。





まとめ

単焦点レンズと聞くと、35mmから85mmの範囲を思い浮かべる人が多いと思いますが本当は、超広角から超望遠まで色々な焦点距離のレンズが揃っています。それぞれの個性や使い勝手感は本当に様々あります。さらにシンプルな絵(写真)作りであったり、ズームレンズのように融通が利かない点もあるからこそ、最短撮影距離などの細かな機能や性能が重要となってきます。


シンプルだからこそ、レンズ本来の機能だけでなく、カメラの機能も合わせて体感的に覚えられるレンズでもあります。


そして実際に撮影した写真の綺麗さを自分の目で見ると、単焦点レンズの面白さにハマると思います。実際にプロの人で、単焦点を何種類か揃えて、シーンやシチュエーションに合わせて使い分ける人は多くいます。僕もそのうちの一人です。単焦点レンズを体感して写真やカメラをより好きになってもらえれば、と勝手に想っています。



今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


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