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  • 執筆者の写真saygo

写真の撮影代金をどうやって算出しているか公開します

更新日:2020年10月12日

こんにちは。

僕、Photographer Saygohiokiのブログに来ていただき、ありがとうございます。


僕は写真の仕事の他にも広告デザイン制作の仕事をしていますが、写真でもデザインでも、よく頂くご質問が「いくらかかるの?」といった内容です。一応、僕自身が自分の時給を算出しているので、お見積書を作成する際は、その自分の時給を元に算出していますが、他にも多くの基本項目を設けて、作っています。




自分の時給の出し方

まず自分の時給の出し方として、一年で稼ぎたい希望額、もしくは前年の年商から出す場合があります。僕は今は前年の年商から出しています。計算式は、


年商÷12(月)÷15(日)÷8(時間)


これで自分の時給を出すことが出来ます。まだ独立起業して直ぐの時は自分が稼ぎたい希望額から計算した方が良いと思います。


月商から日商を出す時の数字が15日の理由ですが、その日数以上に撮影をしていると、現像や補正、データ管理などに時間を費やすことが出来なくなるからです。撮影日を目一杯スケジュールに組み込むことは返って危険だと僕は学びました。


で、この希望額ですが、人によってはマチマチだと思いますが、得てして安く設定される人は経験年数が浅い人が多いと思います。経験年数が浅いことからくる自信のなさや不安が理由の多くを占めると思います。だからこのブログを読んでいるのが、撮影を依頼したい人の場合は見積額の高い低いを、そういった視点で見ると経験年数の長短がある程度は解るかと思います。この事はブログの最後に詳しく書いています。




依頼主の規模・立場も考慮する

ただ、僕の場合、自分の時給を3パターンほど用意しています。

ここの出し方は企業秘密ですが(笑)、理由はお話し出来ます。ご依頼主様の規模によって、時給を使い分けています。ご依頼主が法人の場合と個人の場合では資本、いわゆる予算感が違います。そして法人個人に関係なく、事業規模や形態によっても資本や組める予算は違ってきます。


依頼の内容によってはかなり難しい時もありますが、なるべくご依頼主の予算に沿えるようにしています。


昔、本当にあったことなのですが、とある超大手企業の担当者からご相談を頂き、見積書を提案した際、お叱りを受けました。「安すぎる!!」と。


「自分達は大企業としてのプライドがある。頼む以上、確かな人にしか頼まないし、こんな少額の仕事を頼む気はない。もう一度検討して見積もって!」


と言われました。ドキドキして「これくらいかなー。これだと今度は高すぎるってまた怒られないかなー。」なんて思いながら出した結果、「まあ、まだ安いけどこの額なら頼める範囲だね」と成約になりました。その後、約2年間、定期的に撮影を頂けていたことは本当に嬉しかったです。担当の方が辞められて、そのプロジェクト自体がなくなったことは寂しい限りです。


見積り金額というのは、自分が欲しい額やスキルに見合った算出方法だけでなく、お客様の規模も考慮して「相手の立場」に立って算出する方法も身に付けることが必要です。




時給以外の要素が非常に大事

ただ問題なのが時給だけでは本当の提案見積書は作れない、ということです。


僕は提案見積書をお出しするまでには以下の手順を必ず踏みます。


1:お客様からのヒアリング

2:お客様との打ち合わせ

3:お客様の希望/イメージの共有

4:撮影現場の作成の有無

5:撮影現場の確保の有無

6:スケジュールの共有

7:撮影データの加工処理の有無

8:撮影後のデータの納品方法

9:管理期限の設定

10:ブランディングの仕方


と最低限、10項目についてきちんとお客様とお話しして決めます。細かく紹介していくと他にも出てきますがあくまでもここでは最低限のことを挙げます。これくらいの下準備をしてお客様からヒアリングしたり提案をしないと、本当の意味での提案見積書は作成できないと思っています。そして更に、本当に良い写真、お客様が喜んで、ユーザーにもその本質がちゃんと伝わって、僕自身も頼まれて良かった、と思える写真は撮影出来ないと思っています。それくらい写真撮影は繊細な仕事だとも思っています。


ヒアリング/打ち合わせはじっくりとお客様の声に耳を傾けて、ポイントとなるキーワードを聞き逃さないようにします。企画や構成を提案するのに大切な項目となります。


撮影現場をどうするのかも重要です。ロケ撮影、お客様の仕事場での撮影、スタジオ撮影の3つからの選択になりますし、お客様の仕事場で撮影する場合、必要な機材の種類によっても金額は変わってきます。実は、お客様の仕事場での撮影が一番高くなっちゃいます。必要な機材の搬出入であったり、それに伴う交通費であったりが影響してきます。ただ、機材が必要でない場合はグッと金額的に下がりますのでやはり、事前のヒアリング/打ち合わせは必須となってきます。


撮影データを補正は必要項目として入れていますが、加工(電線を消したり、隣のビルを消したり等)をどうするかもここで決めておきます。加工費は時給を元にした工数(人/日)での算出としています。


データの納品方法はほぼメディアでお渡ししているのでそれほど金額に影響はありません。管理期限も僕の方でいつまで管理保管しているかの、期限決めなのでほぼ金額に影響はありません。


この中で少し解りづらいのが「3:お客様の希望/イメージの共有」と、「10:ブランディングの仕方」になると想います。


  • _お客様の希望/イメージの共有

  • プロフィール写真を例に挙げます。プロフィール写真の場合、今だとFacebookやTwitterなどのSNSに気軽に使うものと、ホームページなどに記載して顧客に安心感を提供できるブランディングフォト、そして広報紙や機関紙などに記載する会社の顔としての役割を担うもの、に大きく分けることが出来ます。ホームページ に載せるブランディングフォトをイメージされていたのに、SNSに載せるような気軽な写真を撮影していては何も、誰も、喜べない結果になってしまいます。そうならない為にも、どういった目的/目標や意図があり、どのメディアに載せるのかを共有して持っておく必要は絶対です。また、カッコいいとか柔らかいとか、ふんわりしているとか、雰囲気を共有しておかないと、撮影現場をどうするかも決めることが出来ません。


  • _ブランディングの仕方

  • このブランディングというのは、希望/イメージの共有と被る部分もありますが、撮影の目的/目標ごとに露出するメディアや媒体が変わってきます。そのメディアや媒体にどの様に発信していくか、どのタイミングで発信するか、といった手法をサポートしているのが、この「ブランディングの仕方」になってきます。やみくもに、「流行っているから」の理由でその流行っているメディアに発信/記載しても、目的や目標にそのメディアが適っていなければ何の効果や成果は得られません。SNSもそうです。Facebookに合った写真の見せ方、Instagramに合った写真の見せ方、といった具合にそのSNSに適した写真を撮って、選択して、発信していく必要があります。


この様に色々な要素を考え、想定し、撮影前の下準備から撮影後のアフターフォローやサポートも考慮して撮影代金を算出し、提案見積書を作成しています。だから単純に時間給から算出した代金だけではなく、写真を通じてお客様の事業やビジネスが目的に向かっていける仕様も含んだ撮影代金となっています。それがたとえたった一枚の写真になったとしても、です。




時間算出はしていない

これまでの案内からも想像出来るかと想いますが僕は時間による撮影代金の算出をしていません。インターネット上にある写真撮影サービスでは時間制による撮影プランもよくみると想います。


  • 1時間=¥●●●●

  • 3時間=¥●●●●

  • 6時間=¥●●●●


と、こんな感じで見ると思います。でも僕はこのような形式はとっていません。


撮影時間を設定していると、お客様が「延長したら料金が発生する」と思われて変に妥協してしまうことがあると思っています。希望/イメージに極力近い写真を望まれているお客様が殆どです。なのに時間が決まっているから、となると言いたいことも言えないお客様がいないとも限りません。時間をかけることが全てではないですが、時間をかけないと撮影できないこともあります。僕は単純に希望通りの写真、綺麗な写真、もしくはそういった写真に仕上がることが明確なら時間をかけても撮った方が良いと考えています。


写真家やカメラマンは、お客様が求める写真や写真品質を撮影するのにどれくらいの時間がかかるのかをちゃんと説明するべきだと思っています。単純な「これくらいの時間」といった説明ではなく、「●●●だから、●時間程は必要」と明確な説明です。そうしないと、お客様も時間が多ければ多いほど、たくさん写真を撮ってもらえると錯覚してしまいます。時間設定のある料金体系はお客様が損をすることが多々あると感じています。



また上記の理由により僕は、枚数設定もしていません。選定はしますが撮影時間内に撮れたお写真はほぼ全てお渡ししています。せっかく時間を作って撮影してもらったのだから、ある写真を全部見たい、欲しいと思うことは自然な顧客心理だと考えているからです。





 

ここからは金額設定とはあまり関係ないですが、僕が写真撮影に対し思っていたり感じたりしていることを書いていきます




シャッターを押すだけで良い写真は撮れない

そんなの思っていないよ、と言われる人も多くいると想いますが僕たち写真家は単純にシャッターを押して撮っている訳ではありません。


お客様からの相談内容/要望を元にヒアリングして、打ち合わせして、お客様の頭の中にあるイメージやビジョンをいかに写真として写し撮り表現するか、を考えます。そしてそうなる様に下準備を整えて、撮影場を作って、撮影します。その撮影時も会話をしながら、感覚を澄ませながら「!!!」と感じた一瞬を逃さないように撮影しています。


だからいつまで経っても色褪せることのない写真を撮ります、とか、魅せられる写真を撮ります、といったキャッチコピーやスタイルの写真家さんがいると感じています。僕もその類です^^




良い機材だからといってクオリティ高い写真が撮れるとは限らない

たまに、たまにですが、撮影サービスに中には「●●丸の最高級一眼レフで撮影」とか「圧倒的な解像感」のようなキャッチコピーで写真撮影をアピールしているところがありますが、僕の感覚としては、どれだけ高品質なカメラやレンズを使っていても、良質が写真が必ず撮れるとは限りません。機材の質の良し悪しは全くといっていいほど写真のクオリティには関係ありません。


解りやすい例として、昔のカメラやレンズで撮られた写真に心を奪われたり、感動したりする時、ありませんか?単純に考えると、今の最新のカメラやレンズの方が機能も質も高いから素人の人でも昔の写真より良いものが撮れるはずですが、実際は撮れないと想います。何を使うかより、何をどの様に使うか、使いこなすか、が大切です。当然そこには感性といったものも僕は必要だと思ってます。


出来るだけ良い(最高の)カメラで撮影したい、といった気持ちや欲求は理解出来ますが、写真家として大切なのはそこではなく、いかに目的を達成できる写真を撮るか、伝えたいことが伝わる写真を撮るか、ということです。広告写真に本当に求められるのは、綺麗な写真ではなく目的意図が明確に伝わり、そのためのストーリー喚起が出来ているかどうか、という風に考えています。




撮影料金が安いにはちゃんと理由がある

SNSが日常の中に、当たり前のように普及したことにより、カメラが今まで以上により身近なものになっています。誰でも手軽に撮影が出来る世の中になっています。


だからといって、実績はないけど高品質のカメラとレンズを持っているノンキャリアの人、いわゆる実務経験の無い人が高品質のカメラとレンズを持っているから撮れるのような錯覚を覚えて「撮影します」と言って対応している場合、依頼者としては心情は穏やかになれないだろうし、それどころか「写真」の世界ってこんなものか、と思ってしまいます。そうなると写真家/カメラマンの業界そのものに悪影響が生じます。実際に現在、起きてしまっています。「安さ」を求めるあまり、写真品質に対しても多くを望まない人や企業が増えてきています。


プロとアマの境界線を引くことが難しい職業ですが、一つ確実に言えることがあります。プロは総合的な力量や知識はアマに劣ることはありませんが、アマはプロと比べて劣っている部分が多々あります。特にWeb用と印刷用に使い分けが必要な時、アマの人は撮影後の補正やデータ作成が出来ません。本当に上手いかどうか、プロなのかどうかは、撮影してもらった写真を印刷すると解ります。家庭用のプリンターで印刷しても解ります。





まとめ

後半は撮影代金の出し方とはあまり関係なくなってしまいました。


ただ、依頼した先から返ってきた提案書や見積書の内容をしっかりと見極める判断材料にはなったと想います。見積書の金額の詳細がきちんと説明されているか、撮影した後の写真の使い方や活用法が提案されているかどうか、そういった部分もしっかりと見てほしいと想います。




事業やビジネスを成長させたい、自分の良さや商品・サービスの良さをもっと多くの人に知ってもらいたい、そういった目的や希望がある場合はぜひ、どんな事でも気軽にご相談ください。


楽しくなる、明るくなるご提案をご用意します。


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